警視庁公安部による冤罪(えんざい)「大川原化工機事件」で、逮捕された大川原化工機社長らが起訴される5日前の2020年3月、公安部の捜査員が警視庁の監察部門に対し、捜査の過程で違法行為があったと内部通報していたことが判明した。しかし、監察は動かなかったとみられ、捜査は止まらなかった。捜査に問題があることが起訴前、監察部門に伝わっていたことが明らかになるのは初めて。 ※同時公開の深掘り記事あります 4ルートで「起訴阻止」に動いた捜査員 幹部ら全て黙殺 大川原冤罪 訴えられた三つの問題点 この冤罪について警視庁が7日に発表した検証報告書では、公安部の指揮機能不全が背景にあったとしたが、監察も機能していなかったことが判明し、警視庁の組織ガバナンスに疑義が生じた格好だ。